ドブめっき付8・8強力六角ボルト の在庫販売を新規開始しました。
業界新聞から抜粋、掲示します。
株式会社 三晃商店 では、
このたび ドブめっき付8・8強力六角ボルトM8~M22径の即納体制による販売を開始した。
同製品の特徴は、三晃商店が持つ どぶメッキ手法のノウハウと 六角ボルトメーカー・ 金剛鋲螺の持つ製造技術とを、融合させ、品質の裏付けと、ドブメッキ処理後においての 強度区分8・8 を保持していることである。
従来、、同社では一般に流通している既存の強力六角ボルトをその都度めっき加工して対応してきた。
しかし、強力六角ボルトは熱処理を施しているために、ドブめっき加工を施すと、めっき中の加工温度に よってボルトの強度が変化する恐れがあり、各めっき加工工場での取り扱いも標準化されていなかった。その結果、メッキ後の強度は不明であった。
また流通段階で加工することで製造メーカーの保証も外れる事から、同社としては受注時にはその都度、顧客に対し、メッキ後の強度の変化の可能性とそのもたらすリスクを説明し対応してきた。
そのような背景から、同社は長年代理店として取引関係にある六角ボルトメーカー・金剛鋲螺㈱に対して、強力ボルトのどぶメッキ手法のノウハウを提供し、両者の持つ特色・技術を融和させ、専門メーカーでの最終段階までの一貫生産による品質保証できる「ドブめっき8・8強力六角ボルト」の製品化に成功し、このほど即納体勢が整備出来たことから 販売を開始した。
ドブめっき8・8強力六角ボルトは素材には冷間 圧造用炭素鋼線材 SWCH33Kを使用し、サイズは(径X首下)M8・M10・M12・M16・M22 x 16㎜~150㎜を常時在庫している。
製品の品質を証する 証明書は、材料証明書・めっき前引っ張り証明書・めっき証明書が提出可能であり、その他に要望により、 めっき後の引っ張り証明書も各々有償であるが提出可能である。
同社では、既に幅広いアイテムのドブめっきファスナー製品を取り揃えているが、今回の8・8強力六角ボルトを加えたことにより、従来から在庫しているS45C(H)六角ナット、45C(H)丸W、SWと併せ強力ボルトを 付属品共々提供する事が可能になったとしている。また、今後もよりニーズを満たすために強力ボルトの 更なるサイズ拡張や各種のどぶメッキ付ファスナー製品のアイテム拡充を推進してゆく方針である。
Q:熱処理後にめっきをする事で 強度変化しないのか?
溶融亜鉛めっきの液温(湯温)よりも 焼き戻し温度が高くなる材料を選定しました。
一例ですが、 12x40の場合
焼き入れ温度 870℃
焼き戻し温度 520℃
溶融亜鉛めっき 湯温 510℃
今回、材料として選択しました 33K材は ボロン鋼などと違い、焼き戻し温度が高く設定されています。
そのために溶融亜鉛めっき(以後ドブと呼称)の温度よりも焼き戻し温度は高くなります。結果、ドブめっき時点での
熱処理ボルトに与える影響は 焼き戻し温度のより低いボロン鋼などの他の材料に比べ小さくなると考えられます。
Q:水素脆性について
溶融亜鉛めっきと水素脆性の関係については諸説があり、私見になりますが、電気鍍金に比べると水素脆性の危険性は小さいと考えています。
33K材は他の8.8製作材料と比べ、焼き戻し温度が高く、脆性危険温度よりも高くなる。
500℃程度の温度を加えるので、ベーキング効果を期待できる
めっきの前処理段階で「ショットブラスト」による前処理を主とし、いわゆる「酸」の浸漬時間を可能な限り少なくする。
あとがき
今回の商品構想は三晃商店内では早くからありましたが、なかなか商品化出来ませんでした。
その間も ユーザーよりの強力ボルトのニーズは日々多くなり、流通業者がリスクを説明しながら対応しているのが
現状でした。ご存知の様にメーカー保証はめっき前の製品が対象であり、ハイカーボン材の強力ボルトのどぶめっき
施工手順・仕様についても、各めっき工場任せであり、ハイカーボンのボルトに対する溶融亜鉛めっき作業の標準化
は現在でも出来ていない現状であります。
発売までのプロセス
2002年の6月頃より構想実現化を開始。
2002年 9月から出来上がりの商品の検査を開始し、品揃えと併行して、検査も続けました。
その結果、めっき後の強度区分は何れも8.8強度を越えた数値となりました。
そこで、2003年6月1日より 発売を開始しました。
あとがき
まだ、製品としては新しく いろいろな個所で使われてはいませんので、今後の諸データーを引き続き注視します。
材料・熱処理温度・めっき処理方法は 今回の製品を作る上で必須条件と考え、各工場のノウハウを尊重します。
(従いまして、詳しい製造段階での工場のデーター・方法などは一部公表しておりません)
流通段階でめっき加工される「市販ボルト(めっき前保証品)にめっき加工した製品」より 安心してご利用
頂ける(めっき後メーカー保証品)と考えて 発売開始しました。
以上 お問合せが多いので 補足説明(追記)いたします。
ありがとうございました。